数種類のチョウを同定することができるようになり、それぞれの特徴も理解することができた。またチョウ以外の昆虫や熱帯雨林の様子など、日本では見ることができないものが見られたことは私にとってとてもよい経験であった。もう少し日本のチョウや昆虫、自然の様子についても知識があればより深めることができたと思う。ここでは現状を、チョウを通してとらえようとしている。その場所でのチョウの変化を気象条件ごとに分類し、決められた時期に毎年同じ回数調査することでとらえてきている。
道もないような熱帯雨林の中に突然、人の手によって切られた竹林やたくさんのゴミ。環境が壊されていく様子に驚いた。そしてチョウの変化によってもそれは如実に現れてきている。竹を切って工芸品を作ったりするのは現地の人たちが生活していく上で仕方のないことである。その土地に住んでいる人たちにとって守らなければならないのは自然ではなく自分たちの生活であることは土地の人たちと接する中でよく伝わってきた。どうやって環境を守っていくのだろうか。日本の学校で私たちが子供に環境を守っていかなければならないことを教えられるのはそれなりに安定した生活があるからである。その安定した生活の中にはベトナムの熱帯雨林から切られた竹で作られた製品が使われているかもしれない。全く関係のない話ではない。身近なところから環境教育を始めていくことは大切であり、私もそうやって実践していきたい。でも、守っていかなければならないのは地球全体の環境であることに改めて気づかされた。そして世界中の人が同じように環境について考えられる状況ではないこと。実際に体験し、ベトナムの人にふれることでそういったことを考えることができたのだと思う。そして実際に体験することは必要である。これは子供たちにとっても同じことである。体験しながら身近なところからはじめ、少しずつ子供たちの環境に対する考え方を広げていきたい。
また、各国のボランティアの人たちと活動を共にする中で、ボランティアといっても様々な協力のしかたがあり、それによって自分たちが学ぶことができたり、普段ならできない体験を通して学び、高められていくことに協力する醍醐味があるのだと感じた。日本でもボランティア活動が重要視されてきているが、それがお互いにとって価値のあるものになるためにはどのように取り組むべきか、またどうして重要なのか学ぶことができた。総合的な学習のボランティアの部分で生かされると思う。
ベトナムはとても勢いのある国だと思った。これからどんどん発展していくだろう。数人の子供たちと接し、ベトナムの教育について話を聞く機会もあった。私たちからしてみれば生活は豊ではないように感じるかもしれないが、心はとても豊であると思った。発展していく中で人の生活も心もどんどん変化していくのだろうか。見つづけていきたいと思う。
同僚たちにこの体験を伝えることによって様々な自然を理解し、身近なところだけからではなく、世界の自然、環境に興味を持ってほしいと思う。また、こういった体験を実際に自分たちもやってみたいという動機付けになり、積極的に関わっていけるのではないかと考える。
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