風習や言葉の違う人々が世界各国からボランティアとして集まり、自然保護の一環である生態学の研究に参加するということはとても素晴らしい意味深いものであった。ボランティアとして携わったテンプルモンキープロジェクトは自然環境を考えるのにとてもよいプログラムで、自然環境や自然保護という問題を地球レベルで見ていく必要があることをつくづく感じさせられた。このような経験を通してでなければ語れないことがたくさんあり、簡単に自然環境や保護について決め付けたような議論はできないことと、ひとり一人がもっと勉強しなければならないことを感じた。世界にはこのような地道な研究を長年行っている研究者がいるということと、それをサポートしている団体や人々がいるということにも深く感銘した。
私の勤務する川村中学校は女子校で総合的な学習のなかで職業体験を行い将来の進路を考えさせている。その時間のなかでボランティアのことを考えさせる時間に、私のスリランカのボランティア活動について、Dr.
Dittusからのビデオをまじえ、約40分の話をした。通常の理科の授業でも話はしているが、この時間では女性のボランティアが多かったこと、世界の女性の活躍ぶり、この地味なトクマカクザルの生態研究プロジェクトが30年近くも前から続けられていること、この生態研究の意味など、これらを今回の体験を通して多くの生徒に話すことによって、自然環境とその保護についての意識を高めることができた。生徒の多くから出た疑問はなぜサルの研究が直接自然環境や自然保護の問題に結びつくのかというものが多かった。地球上に生息する全ての生物が我々にいろいろなシグナルを与えてくれていることを他の例も上げながら理解させることができた。ビデオのサルにだけの興味に終わらないよう、日本のサルや身近な環境問題に結びつけ話を展開させた。生徒たちの反応は大変よかったと思う。時間や条件が許されれば感想を書かせ生徒間で話し合いをさせたかった。高校3年の生物の授業も持っているので、そのなかでも取り上げて行きたいと思っている。
サルはグループが大きくなり分裂し分かれていき、そのグループ間でも葛藤があり、弱いものは絶滅するグループもある。動物たちに棲み分けてテリトリーあり、地球上には人間にも侵してはならない動植物のテリトリーがある。自然や生態系の破壊は、人間と動植物が互いにこれらのテリトリーを侵害することによって始まる。(ほとんど人間側の侵害ではあるが)。
私たちは生活の中で自然界の動植物のことを常に考えなければならない。人為的に保護しなければならなくなる前に、我々ができることがたくさんあるはずである。
ボランティアそのものが初めての私は、このプロジェクトが世界中から集まったボランティアによって素晴らしいチームワークで何一つ難しい問題もなく進められたことにただただ驚くばかりであった。
私はアースウォッチ・ジャパンの存在も知らず、このプロジェクトに参加させてもらいましたが、もっといろいろな形で広報活動が展開され、多くの人がアースウォッチ・ジャパンの存在と活動を知ってほしいと思います。今、私は子供が自分だけが知っていることを誰かにしゃべりたくでしょうがないように、アースウォッチ・ジャパンの存在をいろいろな人に話しています。若い人がどんどん参加して、この活動が盛んになっていくことを願ってやみません。
最後に、このような地道な研究が世界のいろいろなところで行われ、それらが地球の自然環境保全や保護に役立っていることを多くの子供たちに知ってほしいと思いました。
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