実践事例

手作りの教材や、擬似体験授業の展開など様々な工夫

野外調査のフィールドで教師が体験した事柄を具体的にはどのように生徒達に還元することができるのでしょう?帰国後の体験報告から発展してクリエイティブでオリジナリティあふれる素材がたくさん寄せられました。

体験をもとに絵本を出版された方がいます。自身が撮影した映像や写真をふんだんに盛り込んでインタラクティブなデジタルブックを作成した方がいます。花王・教員フェローシップへの参加がきっかけとなり、環境教育を身近な事象から解いて伝えるべく皆さんが工夫を凝らして作成された素材があります。ここでご紹介するものは、作成者の許可を得て多くの方に使っていただきたい教材や、指導計画、ワークシートなどです。

以下に、調査プロジェクトに参加した方々が、作成した教材等の資料の一部をご紹介します。


下記の素材をご利用になりたい方は、アースウォッチ・ジャパン事務局info@earthwatch.jpまでご連絡ください。作者名をクリックすると参加当時の報告書をご覧いただけます。


テーマ        内容作者
イルカの絵本(単行本)
1.「ピランで奏でるシンフォニー
2.「いくつイルカなぁ?
アドリア海の町ピランの美しい風景を楽しみながら環境を守る大切さについて考えるもの。
1. 日本語と英語によるバイリンガル絵本で、イルカを通して海の恵みと海洋汚染について考える。
2. 幼児向けの絵本で、登場するものを数えながら、英語やスロベニア語の数字も覚えられる。
青山 英孝
愛知県
2017年「アドリア海のイルカ追跡」調査に参加
デジタルブック
南アフリカのペンギン
Appleのブックストアから無料ダウンロード可能
南アフリカのペンギン調査体験から、ペンギンの生態に関する学習書を写真や映像素材をふんだんに盛り込んで作成。ペンギンと環境についてインタラクティブに学べる。孕石 泰孝
大阪府
2016年「南アフリカのペンギン」調査に参加
生き物の実寸を体感する教材クジラの尾びれの実際の大きさを模造紙に写し、そのサイズを実感できる。冨山 光太郎
北海道
2005年「コククジラの回遊」調査に参加
成果ページを参照
環境を守る話し合い体験
「森の回廊を作ろう」
開発により生態系の範囲が狭くなることで、食糧不足、近親交配、変化への脆弱性などが起こる問題を取り上げ、その解決のために取り組まれている「森の回廊づくり」を紹介する学習。地域や国を超えた環境保護の取り組みに必要な話し合いを疑似体験し、自然環境と政治経済の問題がつながっていることを意識させる。井上 陽平
滋賀県
2013年「ブラジルの野生生物とその回廊」調査に参加
成果ページを参照
社会科学習指導案
『世界の中の日本 』
世界のためにできること「12才のわたし」
日本と経済や文化などの面でつながりの深い国の人々の生活の様子を日本の国際協力や国際交流の様子、
国際連合の働きなどを調べることを通して、世界の人々とともに生きていくためには異なる文化や習慣を理 解し合うことが大切であることや、世界平和を目指す上で日本が重要な役割を果たしていることを考えられ るようにする。
環境教育に掲載の論文はこちら
坂入 亮太
神奈川県
2006年「ケニア沿岸のマングローブ林」調査に参加

協力 長濱 和代
「世界の森林減少と保全」日本の国土の7割は森林で覆われており、毎年、少しずつ増加しているが、国際的規模では、森林が減少している。世界の森林の現状について、インド・ヒマラヤ山麓の森林管理の事例から、持続可能な森林利用と保全について考えるプレゼンテーションファイル。長濱 和代
千葉県
2006年「ケニア沿岸のマングローブ林」調査に参加
成果ページを参照
メタ認知を促す自己評価ワークシート
生徒の成長を客観的に見つめるためのツール
自分の学習方法を客観的にとらえて、練り直すためのワークシートや、学校行事への取り組みや学校行事の中での異年齢集団との関わりから、取り組みを通して感じた自分の成長や、身につけたいスキルを具体化・可視化するワークシート。生徒が自分を客観的にとらえることで、成長を実感したり,スキルを磨くための次の行動につなげることができる。奥村 健二
韓国 ソウル日本人学校
2008年「森のイモムシ」調査に参加
 1. 理科教材「月の満ち欠け」

2. プレゼンテーションスキル向上のための
「エレベーターピッチ」
1.理科の授業における月の満ち欠けに関する発展的な授業としてカナダと東京での三日月の見え方の違いについての授業案と手作り模型を活用した教材。
2.「カナダの国立公園の生態系を回復させるためにはどうしたらよいか?」というテーマ行うエレベーターピッチを用いた探究スキルアップの授業。
向 雅生
福岡県
2016年「カナダの荒野でオオカミと山火事を追跡」調査に参加
成果ページを参照
科学技術と人間 環境倫理の授業資料
「なぜ環境を守るのか?」
環境保護に対する2つの意見を提示するなどして、生徒にディスカッションを促すアクティブラーニング用のプレゼンテーション資料。授業用のプリントも用意されている。高校1年生の授業で使用。岸本 直子
東京都
2019年「コスタリカの水棲哺乳類」調査に参加
成果ページを参照