プログラムの成果

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個人の深化
長濱 和代
千葉県

2006年ケニア沿岸のマングローブ林調査に参加。地球環境問題への認識が深まり、大学院で森林資源管理と環境教育を研究。

簡単にプロフィールを教えて下さい。
大学卒業後は、書道講師や幼児英語教室をしていました。30歳を過ぎてから小学校の教師になり、着任3年目にこのプログラムに参加しました。その後、環境教育を極めようと、筑波大学と東京大学の大学院で学び、大学講師を経て、2020年4月より日本経済大学で教授を務めています。専門は森林学と理数科教育で、大学では社会政策、国際ボランティア論、情報処理などを教えています。
プログラム参加によって環境教育への想いはどのように変化しましたか?
参加後は環境問題についての認識が深まりました。授業で実践するだけでなく、世界の森林はなぜ減少するのかということに関心を持ち、現職教員のままで、筑波大の研究室に通うようになりました。
2011年に小学校の教員を辞して大学院修士課程に在籍し、日本環境教育学会の会員となり、森林環境教育や自然資源の持続的利用と管理についての研究を始めました。2016年から大学で非常勤講師を始め、複数の大学で教鞭を取りながら、「世界の森林減少と保全」というテーマで、環境教育にかかわる研究と実践を行っています。環境に配慮した社会をつくるためには政策に関わることが肝要と思い、環境審議会委員(松戸市)や林政審議会委員(林野庁)を務めています。
子どもたちへの影響にはどのようなものがありますか?
6年の理科の単元の中で、経験を語る機会があったとき、授業を参観いただいた校長先生から、調査の内容や体験について、特別に時間を取って語るべき内容であったとお話いただいたことがありました。授業時数のしばりのある中で、調査やボランティア活動について時間をかけて語れる時間が確保できるとよかったと思います。大学での授業のように自分の裁量で教育内容が構築でき、学生と体験を共有することが可能な探究の学びが必要だと考えます。
大学院に進学後は研究がすすみ、環境教育プログラムを開発して、学校や予備校(河合塾、駿台)、地域の集まり等で、熱帯林の減少を事例に持続的資源利用と管理について出前授業を行っています。ケニアのマングローブ林の調査へ一緒に参加した坂入先生の学級では、2015年に単元を構築して授業実践を行い、2017年に『環境教育』から「持続的な森林資源保全をめざす授業実践―国際社会の中で日本が果たす役割を考える学習プログラムの開発―」という研究論文を出しました。薪炭材を使った暮らし、異文化理解などの実体験を通じて、子どもや参観する先生方が追体験できる仕掛けをつくっています。