プログラムの詳細
ジャイアントマンタは、エイの仲間では最大かつ世界で最も大きな魚類種に数えられ、横幅約2.7m、体重は1,360kg近くまで成長します。しかし、ペルー沖の海域に生息するジャイアントマンタの個体群動態(特定の種の数、密集度等)については、ほとんど知られていません。
研究者がマンタの生存には何が必要なのかをもっと良く理解するには、彼らを観察する必要があります。ペルー海域でジャイアントマンタは何をしているのか?どこで餌を食べているのか?彼らの生存に不可欠な生息海域はどこなのか?これらの疑問の答えは、本種の保護推進に役立つでしょう。そこで、アースウォッチボランティアの出番となります。
研究者と共に絶滅の恐れがある種を観察するため、ペルー北部海岸の砂浜から冒険に乗り出しましょう。ボランティラは、個々のマンタの写真撮影や傷や特徴の記録、体長の測定、研究者が遺伝子サンプルを採る手伝いなどをしながら、この美しい巨大生物の傍らでシュノーケリングをする機会があります。この調査で得た情報は、マンタがどこの海域をどのようにして回遊しているかを知るのに役立ち、また、マンタの個体群の間には何らかの繋がりがあると考えられていて、それについて研究者が理解を深める助けにもなります。
海上では、ボランティラは海鳥やジンベイザメ、イルカ、ザトウクジラのような大型の海洋哺乳動物のほか、ウミガメも観察して記録します。これらの情報は、このような大型生物を含む、もっと大きな生態系の全体像を、より正確に把握するのに役立ちます。
The facts
contribution
$2750
*Includes accommodations, food, and all related research costs.
Location
Zorritos, Tumbes, Peru, South AmericaDuration
7+ days - See all dates
Activity Level
Lead scientists
- Raquel Siccha Ramirez
調査の重要性
Why the research is important
Research collected from this project could help to establish protections for giant manta rays, enabling the species to withstand threats such as fishery interactions and global change.
マンタはペルーの北部海域のどこに、いつ集まるのか?マンタの個体群の大きさや行動はどのようなものなのか?

The data collected will enable scientists to deliver recommendations to help reduce bycatch in the area.
このような疑問の答えを得ることは、ペルー北部海域に生息するマンタの個体群の大きさ、分布、行動に関する知識を増やし、この個体群の保護を推進するには非常に重要になります。マンタをフラッグシップ種(ある生息地で象徴となる種)として調査することで、研究者達は、ペルーで最も海洋生物の多様性が豊かなトゥンベス地域の海洋保護活動や持続可能な漁業、海洋資源管理を推進しようとしています。この地域の近くには、設立予定の海洋保護区やMission Blue Hope Spot(海の生物多様性ホットスポット保護を目指すNPOの指定海域)であるトロピカルシーオブペルーがあります。
海水面の水温測定、マンタの重要な食料源である動物性プランクトンのサンプル採集、海鳥やジンベイザメのような海棲大型動物やウミガメの調査、ジャイアントマンタの遺伝子サンプル採集などの調査によって、研究者は天然の生息域に影響を及ぼす環境因子について理解を深めることができます。さらに、こうして収集された情報は、マンタに関する知識を大幅に増やし、海洋資源に対する人々の関心と理解を高めるのにも役立ちます。
この調査結果により、研究者が、この海域で発生する混獲を減らす提言をする事も可能になります。このような提言は、漁師がマンタウォッチングに基づいて環境負荷の低い、地域ベースの観光を推進するのを助け、ペルーとエクアドルの協力関係を促進し、この象徴的な種に対する二国間保護を展開するのにも役立ちます。
フィールドの日課
ボランティアが調査地に到着したら、研究者がオリエンテーションを行い、調査する種について説明してくれます。フィールドでは以下のような作業を担当します。:
- シュノーケリングでマンタ観察: ジャイアントマンタと一緒に泳ぎ、個体特有の目印を確認してマンタの個体識別をするとともに、水中ビデオと写真の撮影をします。
- プランクトンや遺伝子のサンプルの収集:プランクトンのサンプル採集用のネットを海中に入れ、ネットを引き上げてプランクトンを採取する一方、海洋調査ではマンタの組織サンプルを採るのを手伝います。
- 海の大型動物相の調査:海洋調査中、ジンベイザメ、イルカ、クジラ、ウミガメなどの海洋大型動物の目撃情報を記録します。この記録は、研究者がこのような動物種の海洋生態系の全体像を把握するのに役立ちます。
夕方、ボランティアは宿舎に戻って夕食をとります。また、この調査についての楽しいプレゼンテーションや討論をすることもあります。
注意:フィールドの状況や調査の必要性によって、予定や活動内容が変更される場合があります。皆様のご協力とご理解をお願いいたします。